子どもの病気|子どもに多く発症する病気について【病気の症状・対処法】|こどもクリニック 友枝

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インフルエンザ

【流行状況】
毎年冬に流行していましたが、コロナウイルスとの干渉(縄張り争い)や、インフルエンザウイルスに対する感受性者(免疫のない人)の蓄積等により流行時期が大きく変わり、令和5年は9月から流行するという、異例の状態になっています。

【症状】
コロナと並ぶカゼの代表で、急な発熱・倦怠感・関節痛などが主な症状です。また、感染力が強いため、集団生活の場では、次々に感染して学級閉鎖になったりもします。小児にとっては、コロナより重症化しやすく、注意が必要な病気です。

【治療】
内服薬(タミフル・ゾフルーザ)、吸入薬(イナビル・リレンザ)、点滴の薬(ラピアクタ)がありますが、年齢・重症度・インフルエンザ A・Bの型などによって使い分けたり、効果不十分と思われる時には漢方薬を併用したりして効果的に治療します。治療を開始すると、概ね48時間以内に解熱します。

【家庭での看護】
安静・保温が基本です。高熱が続き、体力を消耗させ、胃腸も弱るので、消化のよい食べ物を取らせ、こまめに水分補給をします。

【予防】
感染を防ぐには、マスク・手洗い・人込みを避ける・うがい・鼻を触らないなどが基本です。また、睡眠を十分に取って疲れを溜めない、日頃から良質なタンパク質・ビタミンCなどを特に意識し、栄養のバランスを考えて食事を摂ることも大事なことです。予防接種を受けておくと、A型・B型とも2種類ずつ、合計4種類のインフルエンザウイルスに対して予防効果が期待できます。

【タミフルの予防内服】
例えは家族内にインフルエンザが発生した状況下で、元々肺・心臓の慢性疾患があり、インフルエンザがうつったら持病の悪化で生命が危ぶまれる場合や、高校・大学受験を間近に控えて、どうしてもインフルエンザに罹りたくない生徒さんなどに対して、タミフルを予防的に内服してもらうことがあります。健康保険は使えず、私費で4,800円程掛かり、安易に行うことではありませんが、上記のような人生が懸かったイベントが迫っている状況であれば、ご相談に応じます。

他に例を挙げると、近々引っ越しする予定がある時に家族がインフルエンザに罹り、寝込んではいられないという理由で、希望された方もいらっしゃいました。

 

おたふくかぜ

【症状】
ムンプスウイルス(おたふくかぜウイルス)に感染して2-3週間の潜伏期間の後、耳の真下にある耳下腺などの腫れ・痛みを来す病気です。多くは両側の耳下腺が腫れますが、片側が腫れた後、2~3日してから反対側が腫れたり、片側だけで終わることもあります。人によっては、あごの下にある顎下腺が腫れることもあります。腫れがひどくなると、痛みのため口を大きく開けられなかったり、咀嚼で唾液の分泌を刺激して痛みが生じるため、食事が思うように摂れなくなります。発熱は2人に1人位の割合で見られますが、出ても2-3日で下がります。

【注意すべき症状】
高熱が続く・頭痛が強い・何度も吐くといった症状の時には、髄膜炎を起こしている可能性があります。予定の再診日を待たずに、もう一度早めに受診してください。入院治療が必要な場合には、しかるべき病院へ紹介いたします。

【治療】
自然に治るので、薬なしで経過をみてもいいですが、痛みが強い時には症状を和らげる解熱鎮痛剤を食事の20分前に服用すると、食べられるようになるので、適宜使ってみましょう。

【登園・登校】
人にうつし易い期間は、耳下腺の腫れる1-2日前から腫脹後5日間なので、登園・登校の目安は、
➀感染力の観点から:腫れ始めてから5日間経過している。
➁本人の状態の観点から:元気があり、鎮痛剤を使わずに食事がきちんと摂れるようになる。
以上➀・➁を満たしていたら、腫れが少し残っていても登園・登校できます。

【食事】
食事の中の塩分・酸味などの味による刺激や、物をかむことで、唾液の分泌が促されて痛みが強くなります。薄味にして、あまり噛まずに咽を通るような食べ物がいいでしょう。

【合併症】
無菌性髄膜炎・脳炎・難聴・顔面神経麻痺等の神経系の合併症が見られるほか、大人の男性が罹患すると、10-30%の頻度で精巣炎になることがあります。

【予防】
ワクチンのみが確実な予防法です。お勧めの接種時期は、1歳になったら直ぐMR・水痘ワクチンと同時に、2回目は年長時にMRと一緒に接種するといいでしょう。

 

感冒

【症状】
熱が主な症状で、時に頭痛・倦怠感・のどの痛みなどを伴うウイスル性の風邪です。のどの所見は正常、または赤くても軽度です。

【治療】
ウイルス性ですので、漢方薬で治療します。抗生物質は意味がありません。掛かりつけ医に感冒用の漢方薬を処方してもらって常備しておくと、時間外や休日に急に熱が出たりしても慌てなくて済みます。尚熱が出た時に、まず解熱剤を使おうとするのは誤った対応です。当ホームページQ&Aの1番をご参照ください。

手足口病

【症状】
好発年齢は幼児期ですが、乳児や成人も罹ることがあります。主に前腕・手掌・膝回り・下腿・足の裏に米ツブ位のブツブツができますが、口の周りや肛門周囲にもできることがあります。まれに体幹部にもできることがあります。
口内炎は、舌・口の中の粘膜・のどの奥に潰瘍性の粘膜疹ができるもので、口の中が痛くて食事が摂れなくなることもあります。今年流行中のものは、高熱になることが多いですが、概ね1~2日で自然に下がります。
まず高熱が2日ほど出て、下がりかける頃に口の中・手足の発疹がでるという経過をたどることもあります。
また、高熱や口の中のブツブツが先に出て、最初は感冒あるいはヘルパンギーナと診断され、後で手足の病変が現れて、手足口病と病名が訂正されることもあります。
但し、ヘルパンギーナと手足口病は、同じウイルスで起きる病気で、本質的には同じ病気です。症状が口の中だけに留まるのか、手足まで広がるかの違いだけで、治療・対処法も同じなので、明確に区別する必要はありません。

【治療】
丘疹や水疱に薬は必要ありません。口内炎は、専用の塗り薬を塗ると治りが早くなります。痛みで食事が摂れないときに、鎮痛解熱剤を服用すると、痛みが軽くなって食べられるようになることが多いです。意外に思われるかもしれませんが、カレーライスはカレー粉にウコンが入っており、消炎作用により痛みを軽減させますので、カレーがイチ押しのお勧めです。是非お試しください。

【登園・登校】
普段通り食事が摂れていれば登園・登校しても差し支えありません。

 

感染性胃腸炎

【症状】
元気だった子が、突然顔色が悪くなり、吐き出します。
最初は熱がなくても、吐き出して12時間後から発熱する場合もあるので注意しましょう。
下痢は、軟便から水様便まで様々です。
ウイルスの種類によっては便が白っぽくなったり、血が混じることがあります。

【治療】
嘔吐や吐き気には、吐き気止めの飲み薬や坐薬、下痢がある時には整腸剤を飲んで安静にしておきましょう。
元気がなく、飲食が摂れない場合は、吐き気止めの点滴を行います。

【家庭での注意点】
吐き気が強い間は、欲しがっても水分を与えないでください。まずは処方された薬を飲み、様子をみましょう。食事が摂れない時は、ポカリスエットやOS1などを飲ませ、脱水症状を起こさないようにしましょう。

 

アデノウイルス感染症

【症状】

  • ウイルス性の風邪の一種で、扁桃腺の炎症による痛みがあり、39℃~40℃の高熱が4~5日持続します。
  • 人によっては朝は微熱で、午後から高熱になるという熱型(弛張熱)を繰り返すこともあります。
  • 軽い風邪症状や、目の充血、眼脂が見られたり、下痢・嘔吐を伴うこともあります。

 

【治療】

  • 血液検査をすると、炎症反応が高く出ますが、ウイルス性の風邪ですので、抗生物質は必要ありません。
  • ウイルスに対する特効薬はありませんが、漢方薬が上手に飲めると、多少早めに解熱します。
  • 熱の割には元気なことが多いので、解熱剤を使う場面は少ないかとは思いますが、高熱でぐずって眠れないような時には使ってもいいでしょう。
  • 解熱剤は治す薬ではありませんので、必要最低限の使用に留めましょう。

 

【家庭看護】

  • 高熱が続くので、OS-1・ポカリスエット・りんごジュース・野菜ジュースなどで、こまめに水分を摂りましょう。
  • 熱が高くても、腋の下を冷やしたりする必要はありません。冷えピタを貼るなら、せいぜいオデコ程度に留めておきましょう。
  • 感染力が強いので、兄弟間でうつらないように、お互いにトイレの後や食事の前の手洗いを確りしましょう。
  • お子さんのおむつを替えたり、体液に触れた後は、お母さんは確りと手を洗いましょう。

 

【登園・登校】

  • 2日間熱がないことを確認し、医師の許可を得てから登園・登校しましょう。

 

RSウイルス感染症

【症状】
主に3才未満の小児が罹る病気で、毎年お盆休み明け位から流行が治まり、9-10月にピークを迎えます。4-5日の潜伏期間の後、咳・鼻水の症状が2~3日続き、徐々に咳がひどくなってゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴を伴ったり、重症の場合は39~40℃の熱が5日間ほど続いたりします。低年齢の児ほど重症化しやすく、全身状態・呼吸状態が悪い場合は、入院が必要になることもあります。

【診断】
上記の症状・胸部聴診所見・既往歴・流行状況・胸部レントゲン写真より本疾患の可能性を疑い、ウイルス抗原(鼻水で検査します)を検出することにより診断が確定します。

【治療】
本ウイルスそのものに対する特効薬はありません。
咳や鼻水の薬を服用し、喘鳴がひどい時は、吸入器を借りて、自宅でも吸入をすると、夜間の咳が軽くなって、夜も眠れるようになります。漢方薬を併用すると、少し早く解熱するようです。飲食ができなかったり、脱水がある場合は、点滴を行います。このような治療により、入院が必要になるケースは、1割以下に留まっています。本疾患はウイルス感染症ですので、基本的には、抗生物質は不必要ですが、経過中に途中から細菌が感染する(二次感染)ことも多いので、熱が続く時は血液検査をしたうえで、必要に応じて抗生物質を併用することもあります。

【登園】
解熱後1日以上経過し、元気・食欲が戻り、咳・喘鳴が気にならない程度に治まってから登園しましょう。

 

ヒトメタニューモウイルス感染症

【症状】
RSウイルス感染症の症状と似ており、4-5日の潜伏期間の後、咳・鼻水の症状が2~3日続いた後、徐々に咳がひどくなってゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴とともに、重症の場合は苦しそうな呼吸をしたり、39~40℃の熱が5日間ほど続いたりします。細気管支炎・気管支炎・肺炎の原因となり、2歳以下では重症化しやすいですが、一般的にはRSウイルス感染症より軽症で済みます。
主に1才以上の幼児(平均2歳6ヶ月)が罹る病気ですが、乳児も罹患し、最年少例では生後2ヶ月児が罹患したこともあります。罹患年齢の上限はRSウイルス感染症よりやや高く、4-6歳の幼児でも発症することがありますが、学童期に発症することは、ほぼないでしょう。終生免疫はできにくいため、繰り返し罹患する場合もあります。
流行の時期は年によって多少異なりますが、一般にはRSウイルス感染症・インフルエンザの流行期とは重ならず、近年ではインフルエンザの流行が治まって来た頃、それと入れ替わるように3月頃から流行り出し、5月頃まで続くことが多いようです。

【診断】
上記の症状・胸部聴診所見・既往歴・流行状況・胸部レントゲン写真より本疾患の可能性を考え、必要に応じて鼻水から本ウイルス抗原を検出することにより診断しますが、保育園などで流行していたり、兄弟が先に発症したりしていて、症状も典型的であれば、検査なしでも診断することは可能です。
発症早期に検査してもウイルスが検出されないことが多く、発熱後2日くらい経過してから検査した方が検出率が高いようです。正しい診断に至るには、何より丁寧な問診・聴診が必要です。

【治療】
ウイルスそのものに対する特効薬はありません。
咳や鼻水の症状を軽減する薬を服用します。喘鳴がひどい場合は、吸入器を借りて自宅でも、気管支の炎症を抑えたり、気管支を広げる作用の薬を吸入すると、夜間の咳が軽くなって眠れるようになります。
高熱で眠れない位にきつがる時は、解熱剤を使ってもいいでしょう。ただし、解熱剤は病気を治す薬ではなく、使い過ぎるとかえって治りにくくなることもあるので、使い過ぎないように注意しましょう。
飲食ができなかったり、脱水がある場合は、点滴を行います。このような治療により、重症化して入院が必要となることはほとんどありませんが、生後6ヶ月未満の乳児や、喘鳴が強かったり肺炎で呼吸状態が悪い例は入院が必要なこともあります。
本疾患はウイルス感染症ですので、熱があっても基本的に抗生物質は不必要です。熱が高い場合は、漢方薬を服用すると早く解熱します。ただし、経過中に細菌が感染する(二次感染)可能性も考えて、熱が続く場合は血液検査をしたうえで、必要に応じて抗生物質を併用します。

【登園】
発熱している場合は概ね解熱後2日以上経過し、元気・食欲が戻り、かつ咳・喘鳴が気にならない程度に落ち着いてからにしましょう。

 

水痘(水ぼうそう)

【症状】
全身に水疱が出現し、最後にかさぶたとなり、治っていきます。
痒みが強く、掻きむしると痕が残ったり、とびひになることがあります。

【家庭での注意点】
掻きむしると、とびひの原因になるので、爪は短く切っておきましょう。入浴は、熱が38.0℃以下であれば入ってよいですが、洗う時に強く擦らないようにしましょう。体が温まると痒みが増しますので、入って構いませんが、長風呂は避けましょう。

【登園】
すべての水疱がかさぶたになれば、登園・登校できます。

 

伝染性紅斑(りんご病)

【症状】
両頬がりんごのように赤くなり、両腕・脚にレース様の赤い斑点(紅斑)ができます。紅斑は1週間程度で自然に消えていきます。痒みが強くない限り、特に治療は必要ありません。

【登園・登校】
発疹が出現した時点では、すでに人にうつす感染力はないので、登園・登校は控える必要はありません。

【注意】
日差しを浴びると、赤みや痒みが増すので、外で遊ぶ際は、帽子を被るなど服装に気をつけましょう。

 

マイコプラズマ感染症

【症状】
主に5歳以上の子に多い病気ですが、まれに1歳‐2歳の児も罹ることがあります。症状は、乾性(痰の絡まない)咳が次第に強くなり、昼夜を問わず出て、しかも長引きます。熱は、微熱から高熱まで様々で、中には熱が出ない場合もあります。咳と熱が3日以上続いて徐々に酷くなってきたり、熱がなくても咳が1週間以上続く場合は、肺炎を起こしていないか、一度はレントゲンを撮ってみた方がいいでしょう。レントゲンで特徴的な、すりガラス状肺炎像が見られたり、肺炎の影がなくても血液検査・抗原検査などでマイコプラズマの反応が出たら、この病気と診断されます。レントゲンで肺炎の影を認めた場合はマイコプラズマ肺炎、肺炎の影はなくて抗原陽性だった場合はマイコプラズマ気管支炎と診断します。

菌の増殖するスピードが極めて遅いので、感染してから発症するまでの潜伏期間が2-3週間と長いのが特徴です。このため、家族内で感染する場合、2週間毎に次々と感染していく事もあります。

【治療】
マクロライド系抗生物質のクラリスロマイシンが第一選択です。通常のセフェム系抗生物質では効かないので、必要な検査をしたうえで、適切な治療をすることが大事です。8歳以上の児には、テトラサイクリン系のミノマイシンという錠剤も使えます。粉薬が飲めない児には、使いやすい薬です。有効な抗生物質を服用すると、2日以内に解熱し、咳も徐々に治まっていきます。

【登園・登校】
効果のある抗生物質を飲み始めると、感染力はさほど心配なくなりますので、解熱後24時間以上経過し、元気・食欲が戻り、咳もある程度落ち着いたら、登園・登校して構いません。

 

溶連菌咽頭炎

【症状】
のどの痛みを強く訴えます。また発熱したり、手のひらが赤くなったり、体に赤い斑点ができたりします。痒みやおう吐を伴うこともあります。

【治療】
適切な抗生物質を服用すると、速やかに症状は改善します。ただし医師の指示通り(通常1週間)、薬を最後まで飲み切ることが大事です。症状が良くなったからといって途中で治療を中断すると、再発したり、腎炎などの合併症を起こすことがあります。

【登園・登校】
効果のある抗生物質を飲み始めると、速やかに感染力はなくなりますので、発症した次の日まで休めば登園・登校できますが、医師の指示に従ってください。

 

ヘルパンギーナ

【症状】
夏に流行するウイルス性の「のど風邪」の一種です。
のどの痛みと、高熱が2~3日続くことが多いですが、微熱で済むこともあります。

高熱や口の中のブツブツが先に出て、最初はヘルパンギーナと診断され、後で手足の病変が現れて、手足口病と病名が訂正されることもあります。
但し、両者は同じウイルスによるもので、本質的には同じ病気です。特に明確に区別する意味はありません。

【治療】
特効薬はありませんが、漢方薬を飲むと多少早めに解熱します。のどが真っ赤に炎症を起こしていても、ウイルスによる感染症ですので、抗生物質を服用する必要はありません。症状による対処療法をします。食欲があっても、痛みが強くて食事が摂れない時は、食事の20-30分前に鎮痛剤を服用すると、痛みが和らいで食べられるようになります。

ところで、ヘルパンギーナの時のお勧めの食べ物は何でしょう?

意外に思われるかもしれませんが、ヘルパンギーナにはカレーがイチ押しのお勧めです。他のホームページを見ると、殆んどがカレーは食べない方がいいと書かれていたりしますが、カレーライスはカレー粉にウコンが入っており、その消炎作用によって痛みが抑えられ、パクパク食べてくれます。是非お試し下さい。

【登園・登校】
解熱後24時間以上経過し、のどの痛みが治まり食事がとれるようになったら、登園・登校して構いません。

 

流行性角結膜炎

【症状】
眼球結膜(白まなこの部分)が真っ赤に充血します。目やにを伴うことも多いです。原因は、アデノウイルスの感染です。基本的には熱は出ませんが、熱を伴った場合は、咽頭結膜熱(別名プール熱)と言います。片方の目が充血した後、4-5日してから反対側が充血するという経過を取ることが多いです。目の充血が引くのには、7-10日位かかります。

【治療】
目の炎症を取る点眼薬をさします。目やにが出る場合は、抗生物質を併用します。

【登園・登校】
両眼とも充血が引いてからというのが目安ですが、感染力が非常に強いため出席停止の病気です。登園・登校は再診を受けて、医師の許可を得てからにしましょう。

 

熱中症

【症状】
熱中症は、高温多湿の環境下に長くいることで起こります。軽症(Ⅰ度)の場合、大量の発汗・めまい・立ちくらみ・生あくび・こむら返り・気分不良などの症状が出ます。中等症(Ⅱ度)になると、頭痛・吐き気・嘔吐・倦怠感・脱力感・集中力や判断力の低下・いつもと様子が違うといった症状が現れます。重症(Ⅲ度)例では、高熱を伴ったり、意識障害・けいれんといった症状が現れます。熱を主体とする夏カゼや、感染性胃腸炎と共通する症状も多いため、熱が出たり、頭痛・嘔吐の症状から熱中症ではないかと心配される方がおられますが、基本的に高温多湿環境下にいなければ熱中症にはなりません。また、寒気や関節痛などの症状を伴っていれば、風邪によるものと考えていいでしょう。

【治療】
①体温管理:エアコンが利いている室内や、風通しのよい日陰など、涼しい場所に移して安静にし、衣服を緩めて体を冷やします。氷があれば、首の両側や腋の下、足の付け根など、太い血管が走っている部位を冷やすと効果的です。
②水分・電解質(塩分)の補給:運動や屋外作業で大汗をかいている時の水分補給は、電解質が十分に入った経口補水液(OS-1・アクアサポート)やスポーツ飲料で行います。水やお茶で水分を補おうとしても、これらには電解質が入っていないため、すぐに尿中に出て行き、脱水状態は改善されません。梅干しなどの塩分を含んだものを一緒に摂るといいでしょう。

【救急搬送】
自力で水分が摂れない、話しかけても返答がないといった場合は、すぐに救急車を呼ぶか、車で病院に搬送します。

 

突発性発疹

【症状と経過】
多くは生後8ヶ月から12ヶ月前後の子供が突然高熱を出します。
高熱は3~4日続き、その後熱が下がって顔や身体に赤い発疹が出てきます。
下痢を伴う事もあります。機嫌が悪くなり、ぐずることも多いです。
発疹は経過とともに薄くなり痕を残すことなく消えます。

【治療】
症状に対する対症療法、漢方薬

【家庭での注意点】
1.発熱や下痢で脱水になりやすいので、こまめに水分補給をします。(お茶、リンゴジュース、イオン飲料等)水分が一度に取れない時は、少しずつ回数を多くとりましょう。
2.下痢の回数が多いときは、オムツかぶれをおこしやすいのでお尻は清潔にしておきましょう。
3.熱が下がれば、発疹はあってもお風呂に入れます。

※頭痛・吐き気が強い場合や飲食が摂れない時は、早めに受診しましょう。

ヘルペス性歯肉口内炎

【症状と経過】
3歳位までの乳幼児が、初めてヘルペスウイルスに感染した際、その内の5%の児がこの病気を発症します(殆どの児は不顕性感染で、何も症状は出ません)。口唇・口腔内に水疱や潰瘍が多発し、痛みでよだれが多くなります。特に歯茎が赤く腫れて出血します。高熱・不機嫌や、口の中が痛くて食事が摂れなくなる等の全身症状を来します。

【治療】
アシクロビルという薬が特効薬で、通常5日間服用します。内服を開始すると、概ね3日以内に解熱し、徐々に食事も摂れるようになります。

【家庭での注意点】
発熱したり、口内痛で食事が十分に摂れずに脱水になりやすいので、こまめに水分補給をします(イオン飲料、野菜ジュース、おもゆ等)。水分が一度に取れない時は、少しずつ回数を多くとりましょう。
意外に思われるかもしれませんが、カレーを食べられる年齢であれば、お薦めです。カレー粉に含まれるウコンの消炎作用で、痛みが軽くなるからです。

【登園】
人から人にどんどんうつる病気ではないので、解熱して元気・食欲が戻ったら、登園して構いません。

 

新型コロナウイルス感染症

【症状】
2-3日の潜伏期を経て、最初に発熱・咽の痛み、その後咳が出ます。熱は、39℃前後の高熱のことが多いようです。中には、40℃の熱が出ることもありますが、こういう場合も漢方薬等による治療で、概ね2日ほどで解熱します。

【診断】
鼻腔粘膜拭い液による抗原検査が感度も良く、簡便です。発症(発熱)した翌日が検査の時機です。
なお、コロナの抗原検査は、医師が必要と判断した人に限らせて頂いております。例え濃厚接触者でも、症状のない場合は、保険診療では検査できませんので、ご了解をお願い致します。

【治療・経過観察】
初診時に(検査結果が分かる前に)漢方薬(桂麻各半湯または葛根湯)を処方します。コロナにも効果のある漢方薬で、錠剤もありますので、漢方薬の粉が苦手な児も大丈夫です。漢方薬を服用すると、ワクチン接種の有無に関わらず、2日程度で解熱します。発症日を0日目とし、その翌日から5日間を自宅療養期間とします。解熱剤は、体温が39℃以上で、本人がつらそうなときは使って構いませんが、ある程度熱が出ることは、治るために必要な事なので、解熱剤の使用は、必要最低限に留めましょう。

【予防】12歳未満の小児を対象とする、ファイザー社製ワクチンの接種が、令和4年3月29日より始まっています。但し、日本の小児例はほぼ軽症で、特に10歳未満では日本全国で重症例が7人、死亡例は2人です。また小児の場合、新型コロナウイルス感染症に罹患して重症化するリスクよりも、ワクチンで心筋炎等の副反応を起こすリスクの方が高いと言われ、中には、亡くなった中学生・高校生もいます。ワクチンの主目的は重症化予防にありますが、小児の場合は基礎疾患がない限り罹っても重症化することは、上述の通り極めて稀で、普通の風邪の域を出るものではありません。ワクチンを接種することにより、最悪の場合には死亡するかもしれません。このようなリスクを冒してまで、子どもにとって「普通の風邪」に過ぎないコロナに罹らないようにと、ワクチンを接種する意味があるかどうか、熟慮の上、決めて頂ければと思います。当院HPの「新型コロナワクチンQ&A」のページに、参考になるWebサイト・書籍等を紹介していますが、お忙しい方は、新聞記事大阪府泉大津市長の動画だけでもご覧になり、ご判断下さいませ。
 予防には、日頃から免疫力を高める生活習慣を心掛ける事が、遥かに大事です。本間真二郎著「新型コロナ ワクチンよりも大切なこと」(講談社)は、大変参考になる良書です。また、本を読む暇がない人には、エリカ・アンギャル著「最強でエレガントな免疫を作る100のレッスン」の要約動画(約35分)を見るのも良いでしょう。