Q&A|若いママからよく質問されること|こどもクリニック 友枝

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子どもの病気への対応法や
家庭看護に関する質問にお答えします
参考にして下さい

 

  

子どもの病気 Q&A

Q1.熱が出た時は、解熱剤を使った方がいいですか? 適切な使い方は?

熱は、ほとんどが風邪を始めとする様々な感染症に伴うものです。
病原体と戦うために必要があって出ている訳ですから、安易に「熱が出たら解熱剤で下げる」というのは、短絡的な考えです。なぜなら、解熱剤を使いすぎると自己治癒力を妨げ、反って病気は長引くからです。
ただし、熱のせいで食欲が極端に落ちている場合や、ぐずって眠れない時には使ってもいいでしょう。

Q2.熱が出たら、抗生物質を服用すべきでしょうか?

熱を伴う気道感染症、いわゆる「かぜ」の原因は、ウイルスと細菌に大別されます。
子どもの発熱の80~90%はウイルス性の風邪(感冒)が原因です。
抗生物質は、溶連菌感染症などの細菌が原因の感染症には有効ですが、感冒やヘルパンギーナなどのウイルス性の風邪には効きません。
従って、抗生物質が必要かどうかを熱の有無だけで考えると、ほとんどの場合、誤った判断をすることになります。
抗生物質は、のどの所見・胸部聴診所見・鼓膜所見・リンパ節の腫れなどを丁寧に診たり、必要に応じて胸部レントゲン撮影や血液検査・ウイルスの検査(アデノ・RS・インフルエンザなど)をしたりして、総合的にその要否を判断すべきであり、熱が出たから服用するというのは、理由になりません。
尚、外耳に耳垢が詰まって鼓膜が観察できない時は、耳垢を取ってから診察するという、丁寧な作業が必要です。

Q3.ウイルス性の風邪に効く薬はありますか?

 はい、あります(当院ではそれを用いて治療しています)。
ごく軽症の場合は何もせず自然に治りますが、中等症以上の場合は、漢方薬を上手く使って治療すると早く治ります。
漢方薬は、免疫機能・自己治癒力を高めたり、直接抗ウイルス作用を発揮したりして、風邪を治します。
風邪の漢方薬は、重症度や、病気になってからどれくらい経っているかによって、使い分ける必要があります。
漢方を使い慣れた医師に、その時々の状態により適したものを選んで処方してもらいましょう。

Q4.アクアライト・ポカリスエット・OS-1等のイオン飲料は、どんな時に与えたらいいですか?
また、小さい子には薄めて与えた方がいいですか?

これらは、電解質(塩分)・糖分(ブドウ糖)を含んだ飲み物です。熱があったりして食事が充分取れていない時には、電解質・糖分を補充する意味で有用でしょう。ただし、食事が十分摂れているにもかかわらず、こういう飲み物を飲むことが習慣になってしまうと、糖分が入っている分、カロリー過剰になったり、甘みのある飲み物しか飲まない子になってしまったりする危険をはらんでいます。
なので、食事が十分摂れている時の飲み物は、お茶で結構です。こういうイオン飲料は、あくまでも病気で飲食できない時や、激しい運動の後など、糖分・電解質を補う必要がある場合に留めましょう。
因みに、これらの飲み物を与える際、薄める必要はありません。薄めると、塩分量が不十分になってしまいます。

Q5.予防接種後は、お風呂に入っていいですか?

皮下注射のものはもちろん、ハンコ注射のBCGも含めて、入ってかまいません。ただし、接種部位をこすらないようにしてください。

Q6.しょっちゅう熱を出すんですが、どうしたらいいですか?

まず、免疫に関わる基本的な検査として、白血球数・分類、免疫グロブリンの値などを調べます。
それで異常なければ、緑黄色野菜や食物線維などの食事・睡眠が適切にとれているかなど、生活習慣を見直します。
それも問題なければ、いわゆる「よく風邪をひく子」ということになりますが、このような子どもに対して、「免疫力を高める漢方薬」があります。風邪をひかない、強い子になるための漢方薬(小建中湯)を服用すると、風邪を引かなくなります。

月に2回も3回も熱を出していたのが、このような漢方薬を1ヶ月も続けると、徐々に熱を出さなくなってきます。たとえ風邪をひいても、感冒用の漢方薬を1-2回服用するだけで熱が下がるなど、治りが早くなります。

中耳炎を繰り返す子に対しても、再発を防ぐ漢方薬があります。3回以上繰り返す子は漢方治療の適応と考えます。漢方を使い慣れた医師に、その子の状態に最も適した漢方薬を選んで処方してもらいましょう。

このような治療を行うことにより、慢性的に抗生物質を飲んでいたのが、それとはほとんど無縁の状態になります。

Q7.感染性胃腸炎に罹りましたが、いつから登園できますか?

全身状態と、感染力のふたつの面から判断します。

①全身状態としては、食欲が戻り、元気になるということです。
②感染力は、便の性状から判断します。水様下痢便の間は、便中のウイルス量が多く、感染力も強いので、完全に普通便には戻らないまでも、軟便程度のものがせいぜい1日3回以内に回復するまで待ちましょう。

以上、①・②の条件をクリアしたら、登園していいでしょう。

Q8.熱がある時のお風呂は、どうしたらいいですか?

37℃台の熱で、元気も良ければ入って構いません。
熱が38℃以上あったり、微熱でもあまり元気がない時は、無理して入らない方が無難でしょう。

Q9.風邪(感冒)用の漢方薬は、熱が出たときに服用するので、解熱剤のようなものですか?

いいえ。
漢方薬は自己治癒力を高めることにより、風邪の原因となっているウイルスと戦って風邪を治す薬で、熱が下がるまで服用し続けます。漢方薬を服用すると、風邪は早く治ります。
これに対し解熱剤は、倦怠感・頭痛といった熱に伴う苦痛を一時的にやわらげる薬であり、風邪を治す薬ではないので、効果がなくなると熱はまた上がります。また、使いすぎると反って熱が長引いたりすることにもなりかねないので、眠れない時や、高熱のために食事が摂れない時に食前に与えたりするなど、必要最低限(一日3回以内)の使用に留めましょう。解熱剤の効果は4-6時間です。

Q10.風邪を漢方薬で治療する際、解熱剤を飲んでもいいですか?

熱が主な症状の風邪を治す漢方薬は、自己治癒力を引き出すことで効果を発揮します。その際、熱をある程度出させることが必要です。
解熱剤は漢方薬のこの作用に逆行するので、安易に使うと折角の漢方薬の働きが鈍ってしまいます。風邪を早く治すには、解熱剤の使用はなるべく控えましょう。
ただし、熱のせいで食欲が極端に落ちている場合や、ぐずって眠れないときには使ってもいいでしょう。

Q11.作用の違う2種類の坐薬を両方使いたい時、1つ目を入れた後すぐに、ふたつ目を続けて入れていいですか?

・いいえ。
・坐薬には、けいれんを予防するダイアップ・解熱剤・吐き気止めなどがあります。
・熱性けいれんを起こしたことのある子が高熱を出した時、けいれんを予防するのが第一ですので、先ずダイアップ坐薬を入れます。続けて解熱剤を入れたい場合は、30分の間隔をあけます。間隔が近いと、薬の吸収を互いに妨げるからです。
・また、解熱剤と吐き気止めの両方を使いたい場合、早く楽にしてあげたい症状に対する坐薬の方から先に入れて、同様に30分の間隔をあけて他方の坐薬を入れるといいでしょう。
・ただし、けいれん予防のダイアップ坐薬と解熱剤の内服薬のように、坐薬同士ではなく、投与経路が異なる場合は、薬の吸収や効き目に対して互いに影響しないので、間をあける必要はありません

Q12.鎮痛解熱剤には内服薬と坐薬がありますが、どのように使い分けたらいいですか?

・意外かもしれませんが、内服薬は15-20分で効き始めるのに対し、坐薬は倍くらい時間が掛かります。なので、即効性を期待するなら、内服の方がいいでしょう。例えば、おたふく風邪や手足口病に罹った時の鎮痛剤は、内服の方がお勧めです。食事の20-30分前に飲むと、耳下腺や口の中の痛みが軽くなり、食べられるようになります。
・作用持続時間は4-6時間で、内服・坐薬に差はありません。
・薬が飲めるなら内服薬を優先し、吐き気があったり内服を嫌がる場合に坐薬を使うといいでしょう。
・尚、小児に使われる鎮痛解熱剤はアセトアミノフェンといって、胃を痛めたりする心配のないものですので安心です。

Q13.処方された薬は、すべて最後まで飲み切った方がいいですか?

薬の処方目的は以下の3つに分類されますが、その目的によって答えは異なります。
①病気を治す薬:細菌性肺炎用の抗生物質、感冒(ウイルス性の風邪)用の漢方薬など
②症状・合併症が出ないようにコントロール・予防する薬:喘息の長期管理薬(コントローラ)、抗てんかん薬など
③今ある症状を軽減させる薬:解熱鎮痛剤、喘息の発作時薬(レリーバ)、咳・鼻水の薬、吐き気止め、腹痛用の漢方薬など

①は病気が治り、再燃しないために必要かつ十分な日数を考えて処方しますので、最後まで飲み切ってください。
②は将来的に中止できる可能性がありますが、中止のタイミングを図るには医学的な判断が必要です。症状・発作が起きる心配がなくなるまで、医師の指示に従い、薬を切らさないよう続けてください。
③は病気を治す薬ではなく、病気に伴って現れている症状を軽減させるのが目的(対症療法)ですので、症状が治まり次第、自己判断で中止して構いません。

Q14.中耳炎は、プールやお風呂に入って、耳に水が入ることで発症しますか?

・いいえ。
・中耳炎は、鼓膜の奥にある中耳腔という空間に炎症が起こったものです。
・ヒトの鼻の奥の方(咽の一番上の所)に耳管咽頭孔という穴がありますが、この穴は耳管という管を通じて中耳腔につながっています。鼻腔内にいる細菌やウイルスが、耳管咽頭孔から耳管を通じて中耳腔内に入り込み、炎症を起こすことによって中耳炎を発症します。ですから、鼻やのどの風邪が切っ掛けになって中耳炎を併発するということになります。
・我々が外から見ることのできる耳の穴から鼓膜までの空間を外耳といいますが、外耳と中耳は鼓膜によって隔てられているため、通常外耳にいる菌が中耳腔内に入り込むことはありません。従って、プールやお風呂に入って、外耳に水が入ることによって中耳炎になる訳ではありません。

Q15.風邪と熱中症はどう違いますか?

ウイルスなどの感染により風邪に罹ると、治そうという自己治癒へ向けた生体反応が起こります。その際、今の体温では不十分なため、発熱物質を出して自ら熱を作り出そうとします。その結果、寒気や、場合によっては関節痛・腰痛などの症状とともに発熱します。
これに対し、熱中症の場合は、高温環境に暴露されるのが必須の条件です。高温環境下でも、通常は発汗などにより体温調節を行って生理的な体温を維持できますが、発汗しても間に合わない位に気温が高かったり、風が吹かないなど熱がこもりやすい状況・環境だったり、あるいは水分・塩分の補給が間に合わずに脱水症に陥ったりした場合は、身体に熱がこもって熱中症になる可能性があります。
以上のごとく、風邪に伴う諸症状があるかどうかや、高体温になるに至った経緯を考慮すると、風邪か熱中症かは凡そ区別が付きます。また、熱中症では、身体は暑く感じ、寒気はしません。寒気がしたら、それだけで熱中症ではなく、風邪と判断して結構です。

Q16.夜泣きで何回も起きるんですが、どうすればいいですか?

生後8ヶ月位になるとハイハイをするようになり、運動らしい運動になりますので、昼夜のリズムが出来てきます。それ以降になっても、夜泣きで何回も起きる場合は、鉄欠乏が背景にある可能性を考えて、まず血液検査をします。ママが鉄欠乏性貧血だと、赤ちゃんも鉄が欠乏して貧血になりやすいリスクを持って生まれます。鉄が足りないと夜間の睡眠を司る脳内神経伝達物質のメラトニンが十分にできません。その結果、夜間熟睡できなくなります。夜泣きの原因が鉄欠乏であれば鉄を補うことで治っていきます。
鉄の検査をして異常がなければ、漢方薬を処方します。漢方薬には抑肝散などいくつか方剤がありますので、お話をお聞きして、一番合ったものを選んで処方します。

Q17.中耳炎に何回もかかるんですが、何か予防する方法はありますか?

急性中耳炎で、発熱や強い鼓膜発赤を伴う場合は、必要に応じて血液検査を行い、細菌が感染して炎症を起こしていると判断される場合は、抗生物質を処方することがありますが、急性期の炎症が治まっているのに、軽度の鼓膜発赤のみで抗生物質を長く服用するのはお勧めできません。
鼓膜が真っ赤に炎症を起こすような中耳炎を繰り返す場合は、免疫力を上げて予防することを考える方が近道です。それには、十全大補湯という漢方薬が最適です。この漢方薬は、「小児急性中耳炎診療ガイドライン」でも推奨されているものです。服用すると、凡そ1ヶ月もすると中耳炎を起こさなくなります。概ね6ヶ月から1年間を目途に服用しますが、中止のタイミングは経過をみて判断します。

Q18.多量に発汗した際などに、脱水症に陥らないようにするにはどんな飲み物が適していますか?

麦茶を含め、水分だけを摂っていると、血中の塩分濃度が薄まり、それを是正しようとして、水分が寧ろ抜けていきます。不足している水分を効果的に摂るには、塩分を一緒に摂ることが必要です。水・麦茶などと一緒に梅干しや漬物を食べるといいでしょう。
経口補水液なら、OS-1・アクアサポート・アクアライトORSがあります(経口補水液といえるのはこの3種類です)。通常のスポーツドリンクより、塩分濃度(Naナトリウム)が高くなっています。アクアライト・ポカリスエットまではいいですが、アクエリアスになると、Naが少なすぎて、多量の発汗をした場合の水分補給用としてはお勧めできません。
以下に、Na濃度(単位mEq/l)の高い順にイオン飲料を列挙しますので、参考にしてください。
OS-1 = アクアサポート(50)> アクアライトORS(35)> アクアライト(30)> ポカリスエット(21)> アクエリアス(11)

Q19.インフルエンザは、1シーズン中に2回罹ることがありますか?

はい、あります。
インフルエンザには、A型・B型とがあり、さらにA型には、H1N1(パンデミック2009)型と香港型の2種類の亜型があります。
従って、上記2種類のA型のどちらかに罹った後でB型に罹ることは、たまにあります。またA形には、A-H1N1とA-H3N2(A香港型)という2つの亜型があり、この2者通常の検査では区別できませんので、A型に2回罹るという言い方になります。
従って、A型に2回、B型に1回、合計3回罹ることは、理論的にもあり得ます。実際、2023年に2種類のA型に罹った後、2024年にB型にも罹り、2023-2024シーズンに計3回罹った人が、当院でも5人程おられました。
また、1シーズン中に同じ型(亜型)に2回罹ることはないので、1シーズン中にインフルエンザに罹る回数は、最高3回までです。過去にインフルエンザが大流行した年にも、実際にこういう方が数名おられましたが、昨期のような大流行にならない限り、極めてまれなことです。
別の言い方をすれば、2023-2024シーズンは、こういう稀な罹り方をする人が何人も出る程の、とんでもない大流行だったということです。

Q20. 体に水イボができて、皮膚科で取ってもらったんですが、またすぐ出てきました。漢方薬で何かいい薬がありますか?

はい、あります。
平均3ヶ月ほど掛かりますが、漢方薬が上手に飲める子なら、1日2回服用すると、イボが落ちて、治って行きます。
早い場合は、1ヶ月で良くなった子も何人かいます。

Q21.花粉症によるアレルギー性鼻炎に悩まされています。抗アレルギー剤の内服・点鼻薬以外に、何かお勧めの治療法はありますか?

あります。それは、食事療法です。
花粉症を始め、種々のアレルギー疾患は、本来私たちの身体を守る為にあるはずの免疫の仕組みが崩れて、外からの刺激に対して不必要な反応をすることによって起こります。「免疫の暴走」と言ってもいいでしょう。
人が持つ免疫の働きの7割を小腸・大腸が担っています。その働きに大きな影響を与えているのが、実は腸内細菌です。従って、腸内環境を良い菌(善玉菌)で満たし、免疫の暴走を止めることが大事です。
そのためには、善玉菌が喜ぶような「エサ」を与えることが必要です。その「エサ」になるのが食物繊維です。
特にアレルギー疾患に良い食物繊維を多く含む食材を、意識して摂りましょう。

Q22.熱が高い時は、首・腋の下・脚の付け根等を冷やした方がいいですか?

いいえ。冷やしてはいけません。
安易に「熱が高いから、身体を冷やす」というのは、短絡的な考えです。熱は、ウイルスや細菌の病原体と戦うために、必要があって出ている訳ですから、身体を冷やすと自己治癒力が妨げられ、反って病気は酷くなったり、長引いたりすることになります。冷えピタを貼るにしても、せいぜいオデコ程度にしておいた方がいいでしょう。

Q23.耳垢は、親が時々取ってあげた方がいいですか?

    大人しく耳垢を取らせてくれる子ならまだしも、嫌がる子も多く、耳垢取りは一見簡単そうですが、実際はなかなか難しいものです。
    たかが耳掃除と考える人もいるかも知れませんが、耳垢を取るには、明るい光源・特殊なピンセット・頭が動かないようにしっかりと固定する介助者・それに何より熟練した技術が必要です。特に固まって耳の穴が塞がっているような場合、綿棒で取り除くのは無理で、反って奥に押し込んでしまうのが関の山です。
  1. 当院では、発熱したお子さんを診る際、耳垢で鼓膜が見えない場合も、必ずそれを取ってから診察します。また、他に症状がなくて耳垢取りだけが目的で来院される方も結構いらっしゃいます。耳垢取りぐらいで受診していいだろうかと思わず、ご遠慮なくお申し付けくださいませ。

Q24.高熱でけいれんを起こすと怖いので、解熱剤を早めに使った方がいいですか?

解熱剤には、けいれんを予防する効果はないので、その為に解熱剤を使っても意味がありません。けいれんを予防するには、ダイアップという坐薬を使いますが、その際、どれ位けいれんを起こしやすい児であるかを医学的に判断した上で、必要であれば処方します。具体的には、15分以上続くけいれんを起こしたり、熱があまり高くないのにけいれんを起こしたことがある場合、また、家族に熱性けいれんを起こした人がいる場合などは、ダイアップの適応と判断します。

Q25.高熱で、食事があまり摂れない時の水分補給は、麦茶でいいですか?

いいえ。麦茶には、塩分・糖分が入っていないので、折角飲んでも体内に留まらず、すぐに尿中に出てしまいます。アクアライトORS・OS-1等の、塩分・糖分を適度に含んだ飲み物がお勧めです。本Q&Aの4番も、参考にして下さい。

Q26.漢方薬以外に、熱を主体とするウイルス性の風邪に効く薬はありますか?

いいえ、ありません。インフルエンザに対するタミフル等、特効薬のある場合は別ですが、熱を主体とする風邪に効く薬は、漢方薬しかありません。元々、熱を伴う普通の風邪は、薬など何も飲まなくても3日位で自然に良くなりますが、漢方薬を飲むと、自然治癒力を高めることにより、殆どが1-2日で解熱して治ります。

Q27.新型コロナウイルス感染症に効く小児用の薬はありますか?

    はい、あります。
    小児にとっては、新型コロナウイルス感染症は唯の風邪ですから、桂麻各半湯・葛根湯が効きます。粉の漢方薬が飲めない児用に錠剤もあります。
    これらの漢方薬を飲むと、概ね1日(著効例では飲み始めたその日の内に)で、遅くとも2日以内に解熱します。普段からこの漢方薬を備えておくと、いざという時に安心です。但し、葛根湯の場合、「効かせる飲み方」があります。詳細は、当院を受診された際にお尋ね下さい。

Q28.新型コロナワクチンは、小児も打った方が良いですか?

普段元気な子にとっては、所詮ただの風邪に過ぎないので、必要ないと思います。
例え罹っても、漢方薬(桂麻各半湯)で直ぐに治ります。
慢性肺疾患等の基礎疾患のある場合は、接種を検討する余地はあるでしょう。
新型コロナワクチンQ&A、子どもの病気の新型コロナウイルス感染症のページをご参照下さい。
特に、新聞記事が参考になるかと思います。

29.風邪は、人にうつすと治るというのは本当ですか?

    はい、ある意味当たっています。
    人から風邪のウイルスが感染して、発症するまでの期間(潜伏期)は、通常2-3日です。また、発症してから熱等の主な症状が治るのに、やはり2-3日かかります。
    自分が発症すると、今度は人にうつす側になり、一緒に生活している人に感染させてしまいます。次にその人が発症するまでの潜伏期間に、自分の症状は概ね取れてしまいます。
    つまり、自分が人にうつしてその人が発症するまでの潜伏期間と、自分が治るのに要する期間がほぼ同じ2-3日なので、タイミング的に、自分がうつした人が発症する頃に、自分は治るということです。
    決して、人にうつしたから治るという訳ではありません。

30.水いぼは、プールでうつりますか?

    いいえ、うつりません。
日本小児皮膚科学会HP
    をご参照下さい。

31.新型コロナウイルス感染症には、2回罹ることがありますか?

    はい、あります。
    当院では、4ヶ月間隔で2回罹患した10代の学生を診たことがあります。

32.病気せずに、元気に暮らすにはどうしたらいいですか?

  • 先ずは、健康を害する物を摂らないこと、健康を害する事をしないこと。
  1. 砂糖・甘いものは、基本的に体を害します。
  2. 小麦は、人によっては体調を崩す原因になります。
  3. 牛乳は、飲み過ぎると害になります。1日200ml以下に留めましょう。
  4. 冷たいものは、身体を冷やし、免疫力を始め、身体の様々な機能を下げます。
  • 次に、身体にいい物を食べること、身体に良い事をすること。
  1. 根菜類を意識して食べること。
  2. 発酵食品を意識して食べること。
  • 何が体に良いのか、何が悪いのか、自分で勉強することも大事です。書籍を紹介します。
  1. 本間真二郎著「病気にならない食と暮らし」セブン&アイ出版 ¥1,500(税別)

33.知恵熱というのは、本当にありますか?

  • はい、あります。
  • 勿論、そのような特定の病気がある訳ではありません。
  • 知恵を使いすぎて、脳が疲労することにより熱が出ると、勝手に思いこんでいる人が多いかと思いますが、それは誤りです。
  • 知恵熱とは、乳児が知恵づき始める頃、不意に出る熱(広辞苑より)のことで、突発性発疹がその代表です。

34.牛乳と豆乳のうち、骨が丈夫になるのはどちらですか?

  • 豆乳です。
  • 牛乳の方が、カルシウムが豊富で骨も丈夫になると思われている向きが多いかと思いますが、それは誤りです。
  • 牛乳を飲むと、確かに一過性に血中のカルシウム濃度は上がりますが、直ぐに下げようとする反応が起こり、その後下がり過ぎないようにするために、逆に骨からカルシウムを動員され、削られることもあります。
  • 豆乳にはイソフラボンという骨が削られにくくする物質が含まれており、骨が丈夫になります。

35.子どもが1歳になったので、ナッツを食べさせたいと思いますが、何から始めたらいいでしょうか?

  • アーモンドがお勧めです。
  • アーモンドは、ナッツ類の中では最もアレルギー反応を起こしにくいからです。
  • アーモンドが大丈夫だったら、その後は、ヘーゼルナッツ(省略可)、カシューナッツ(またはピスタチオ)、クルミ(またはペカン)、最後にピーナッツの順に1種類ずつ確かめながら進めると良いでしょう。ピーナッツは木の実ではないので、厳密にはナッツではありませんが、ここでは一連の物として並べておきます。
  • 1粒または1/2粒位の少量から始めて、大丈夫だったら少しずつ増やして下さい。
  • 最初に与えるときは、何か症状が出た時のために、医療機関の開いている時間帯に与えるようにしましょう。
  • 注意すべきことは、4歳以下の児は、必ずすり鉢等で潰してから与えてください。ナッツの形のまま与えると誤嚥して窒息する可能性があります。

36.異なる型のインフルエンザに2回続けて罹りました。これは、1回目がA型で、2回目がB型という事でしょうか?

  • いいえ。
  • 令和5年9月以降、B型インフルエンザは、12月現在、1人も検出されていません。
  • インフルエンザウイルスには、A型にH3N2・H1N1の2つの亜型があり、B型は1種類のみで、合計3種類あります。
  • 従って、理論的に1シーズンにその全ての型に罹る可能性があり、実際そういう患者さんを、今までに5人程診たことがあります。
  • 令和5年9月から10月にかけては、A型の亜型H3N2が主でした。11月になりA型のH1N1という亜型が出始め、それ以降2回目のインフルエンザに罹ったという人が出てきて、今はH1N1の方にシフトしてきていると思われます。
  • 要するに、A型の異なる亜型のインフルエンザに、それぞれ1回ずつ、計2回罹ったということです。
  • なので、9月以降インフルエンザに1回罹ったからといって、暫くは罹らないだろうと安心はできません。
  • 年が明けて、B型インフルエンザが流行りだすかどうかは、まだ何とも言えません。
  • 現在流行しているインフルエンザA型の亜型は、H3N2・H1N1の2つしかありませんので、年内に2回インフルエンザに罹ったことのある人が、年が明けて3回目のインフルエンザに罹った場合、それはB型しかありません。
  • なお、コロナが出現する以前、B型インフルエンザは例年2月から3月にかけて流行していました。